いたち川散策 2

いたち川下流初夏の風景


コース概要
いたち川橋から尾月橋へ至る散策コースは、いたち川散策マップのモデルコースA(ゆっくりのんびりコース)
 ~いたち川プロムナードと上郷市民の森コース~として紹介されている、いたち川散策の代表格である。
大船駅笠間口から線路沿い右側を戸塚方向へ進み、ガソリン計量機器のトップメーカー【タツノ・メカトロニクス】横浜工場を通り抜け、いたち川へ達する。
そこから下流の柏尾側合流点へは道がないので、立ち入りができるいたち川の最下流点となり、そのすぐ上手に架かかる橋が散策コース起点にあたるいたち川橋で、駅からおよそ20分ほどの距離である。
そのいたち川橋から尾月橋へ右岸左岸ともに、部分的には車道併用区間があるものの、平坦な道に植樹が育つ、良く整備された歩行者・自転車専用の遊歩道が続き、休憩ベンチも多い。
往復して左右両岸を歩く場合、帰りは笠間十字路からバスを利用して大船駅へ戻るのが便利で、(駅までの往復を除き)7.5Km、およそ2時間半と手頃である。
片道コースとする場合は、コース終点の尾月橋に近い神奈中バス本郷車庫前バス停から大船駅へ戻ればよく、バスの本数は多い。この場合は300~400m間隔で橋が数多く架設されているので、両岸を入れ替えながら渡り歩くに不自由はない。
要所の橋にはしゃれた立柱式レンガ造りの歩程標識が設置され、所々には民話や野鳥図鑑などが掲示されている。

いたち川橋から天神橋へ
いたち川橋を渡り左側(右岸)を行く。道には地元Iさんが労苦を惜しまずに開墾された花壇に四季折々の花が咲く。
ところで、この辺りのすぐ左側は横横道路釜利谷ジャンクションから圏央道に至る都市計画道路の予定地で、工事が着工される頃にはすっかり様変わりしてしまいそうで残念な気がする。
川に沿った細長いいたち川公園脇には、育った十数本の桜並木が4月の始めには花のトンネル造り出す。公園内には梅林があり、早咲きの紅梅が例年2月初旬から咲き出す。また入梅の頃は梅もたくさん実り、誰でも取り放題である。
桜並木を過ぎると水神橋があり、対岸には橋名の謂れとなった小さな水神様が田立一同名で祀られている。この辺りの集落は田立(たりゅう)と呼ばれていて、いたち川の氾濫が鎮まるよう住民一同水神様に願ったと云う。
戸塚と大船を結ぶバス通りに架かる橋は新橋(ニイバシ)と云い、右岸にある庚申塔道標には(「従是とつかみち」「従是ぐミやうじ道」元禄4年)と刻まれていて【かまくらみち】の分岐点だったようで、その裏側には延命地蔵尊が祠に祀られている。 そのお地蔵様には生花の絶えることがない。

※ 2016現在、いたち川橋~新橋間の右岸並びに梅林のあるいたち川公園は上記道路新設工事の用地として閉鎖され、立ち入ることはできない。

新橋の次は花の木橋、この橋は珍しい柔構造で、中央部で体をゆすると橋自体がよく揺れる。花の木橋で対岸に渡る。渡らずに直進すると西本郷中学校の脇を通過し、放課後などには部活のランニングがよく行われている。
ところで、本郷台駅周辺やいたち川沿いには、1996年に栄区区制10周年を記念して、栄区で開催された第四回横浜彫刻展の優れた作品全12点が屋外に展示されている。 いたち川沿いには、これらの彫刻・オブジェのうち8点が展示され、花の木橋左岸やや下流から順次栄区役所前まで5点、大いたち橋を渡った対岸に1点、天神橋上流に1点、少し離れて青葉橋付近に1点が展示されている。
【WOMEN】と題された中年女性5人組の裸像など、どの作品もとてもユニークなもので、観賞しながらの散策は大変楽しいものである。

海里(カイリ)を過ぎ、神奈川県警察学校正門前の橋を(この橋は名前がない)、立哨訓練中の警察学校生の敬礼に返礼しながら対岸へ渡る。手前のグランドでは、独特の大きな掛け声を出しながら訓練生が走り込む姿を垣間見る。 渡った道はそのまま直進すると、大銀杏並木を経て本郷台駅へ出る。
今度は川沿いに右岸(左側)を進むと、左は国家公務員官舎のアパート群で(取り壊し予定で2016現在全棟転居済み)、道は桜並木となる。対岸には吹奏楽部の盛んな本郷中学校がある。初秋の川辺にはヒガンバナの群生が見られる場所である。
城山橋は4車線で交通量が多い道、再び左岸に渡り歩行者専用信号で広い道を横断する。流れにはいたち親子3匹の置物が水面上に顔を覗かせていて、大雨の後など流されていやしないかなどと心配して川を見るのだが、いつも無事でほっとさせられる。
右手は栄区役所で、その少し先には散策者用に公衆トイレが設置されている。対岸は柏陽高校で桜が見事な場所、また秋が深まるころには校庭の大銀杏からギンナンが遊歩道側にもたくさん落ちるので、拾い集める人々をよく見かける。
大いたち橋・小いたち橋で瀬上沢が合流し、合流点にはテラス状の親水スペースが設けられている。また、小いたち橋周辺は公園状の小広場で、散歩途中のくつろぎの場所となっている。

 
いたち川公園脇の桜並木            大いたち橋下の親水テラスとサルスベリの花


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