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いたち川散策 1~3


始めに、【いたち川散策マップ】について
栄区では、いたち川の詳細な散策マップを、いたち川の区民愛護団体が現地調査で得た情報をもとに作成し、あわせて散策モデルコースも4コース紹介しております。
この小冊子は【カドタヤ小島書店(本郷台駅前)】、サカエスタ、および区内各地区センターなどで一部100円で販売しています。
歩き慣れた地元民にとってもこのガイドブックは大変便利なもので、改めていたち川を見直すことができます。
このいたち川散策マップは冒頭のリンク先で閲覧できますが、印刷するにはサイズ的に難しい細長いPDFファイルとなっています。


キンケイギクの群生(中流尾月橋付近)

いたち川について
横浜市栄区のシンボルいたち川、三浦半島の付け根にあたる栄区・金沢区との区界付近に広がる市民の森を水源とし、 何本かの支流を取り込みながら細長い栄区を貫流し、笠間と飯島町の境、JR根岸線と東海道横須賀線が分岐する辺りで柏尾川に合流し、その柏尾川は藤沢市街で本流の境川と合流して片瀬川と名を変え、江の島片瀬海岸に注いでいる。
流程9Kmほどの支流にすぎないいたち川だが、都心ベッドタウンの人口密集地にあっては、貴重な清流の水辺として市民憩いの場となっている。
いたち川はケモノヘンに由と見慣れない漢字で表記され(この漢字は環境依存文字のため、あえて表示せず)、鎌倉期の古書にこの字が記されていることからそのまま引用されたもので、鎌倉道から各地へ向けての出立の要点、すなわち出で立つ所(いでたつ)が語源とされ、獣のいたちとは無関係なのだが、 今ではいたちのタッチー君がいたち川のマスコットキャラクターとして区民に親しまれている。
かつてこの川は、都市部にありがちな直線的に三面をコンクリートで固め生物を死滅させてしまった水路だったものを、生きた川として蘇らせるべくさまざまな取り組みが1980年代から行われ、今では復活した清流に魚類・水生植物・野鳥など豊富な生物が育まれている。
いたち川本流は、長倉町の横浜自然観察の森内にある小さな池から流れ出し、いたち川小川アメニティと名付けられた遊歩道を経て上郷市民の森の麓紅葉橋までの間は、 蛇行した自然な流れを観察できる市内では貴重な川である。
中流の稲荷の森付近では、大規模宅地開発された桂台住宅地の遊水地から流れ出す矢沢堀を、そして鎌倉街道の天神橋で鎌倉市境に広がるゴルフ場周辺の緑地を水源とする洗井沢を、 さらに栄区役所前で瀬上池を水源とする瀬上沢を取り込んで、水量豊かになり柏尾川へ注いでいる。
本編では柏尾川合流点に近い最下流のいたち川橋から遊歩道整備が完了している中流域の尾月橋までの約3.7Kmをここで紹介し、上流部のいたち川小川アメニティ、及び支流の瀬上沢は機会を改めることにいたしたい。
ところで、北陸の富山市内にもいたち川と呼ばれる清流が走り、遊歩道が整備され桜の名所となっている。同名のよしみで姉妹河川として交流したいほどお互い市民に親しまれている川である。

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