コース&タイム; 東京7:08=新幹線=8:08高崎駅8:30=群馬バス榛名湖行=9:40榛名神社(境内各所、本殿参拝) 榛名神社10:30~11:30天神峠11:40~12:20天目山1303m(昼食休憩)12:50~七曲り峠~13:30スルス峠13:40 ~14:10相馬山分岐14:20~14:40ヤセオネ峠15:17=群北第一交通バス=15:35伊香保文学館前 所要時間;5時間、歩行時間;4時間 2008山温会 秋の例会は榛名山【関東ふれあいの道】ハイキング&伊香保温泉。 参加者は一人欠席の4名で、幹事役は自分であります。 当日は秋晴れとはいきませんでしたが、前日の嵐的風雨からすれば穏やかな日和で贅沢は云えません。 紅葉はちょうど見ごろで、美しい山道を充分に味わってきました。 アップダウンが多いコースで、標高が低く距離が短い割に案外疲れました。 もっとも宴会の支度や雨支度などで、個人的には荷が重いせいもありましたが。 コース終盤のハイライトに予定した相馬山は山頂が雲で覆われていたのでカットすることにし、予定より1本早いバスで宿へと向かいました。 全員、山への憧憬よりビールの誘惑が勝ったのでした。 | |
今回コースの起点は榛名神社。 榛名山の中腹に広大な敷地を有し、境内には奇岩や巨木を巧みに利用した社殿が点々と配置され、格式の高さを感じる荘厳な神社である。境内は霊気漂うパワースポット。 歴史上特段表舞台に立ったことがあるとは思えないこの地に、何故にこれほど立派な神社が建立されるに至ったのか? しかしその縁起は定かでない。 高崎駅から1時間10分で到着した榛名神社バス停で降り、宿坊が立ち並ぶ参道を緩やかに上がり、仏寺の仁王門に似た随神門をくぐり抜けて境内へと進む。聖地を守るのは仁王像でなく、右大臣左大臣像である。 本殿へ向けた参道は七福神によって導かれる。天神峠へのハイキングコースの入口は、三重の塔の手前を左に折れて行くのだが、我々はとりあえず本殿に参拝することにした。その本殿では結婚式の最中であった。 大勢の参拝客がその神事を眺めながら賽銭を投げていく、式の参列者もこちらを眺めている。目と目が合って何かお互い妙に恥ずかしい気がした。 |
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三重塔まで参道を戻り、榛名神社自然歩道へ入る。しばらくは舗装道路で奥に駐車場があり、その先に裏門のような出入り口がある。番所の門と呼ばれる場所で、そこを潜り榛名川沿いに登山道を遡る。 珍しい石積の堰堤を高巻き、いよいよ紅葉の山中に分け入った。 この後沢沿いの美しい道を天神峠まで歩くはずだった。ところが、自信満々のガイドが道を間違え、山道から突然車道の神社裏バス停付近へ飛び出てしまった。分岐に全く気がつかなかったのだ。 引き返すロスよりはマシとの多数意見により、結局天神峠までそのまま車道を行くことになった。出足から味も素っけもない車道歩きを強いられたメンバーは、しかし腹立たしさは顔に出さず、明るく振舞っていた。 この道は榛名湖と高崎方面を結ぶ主要観光道路である。シーズンたけなわの週末とあって、行き交う車はひっきりなしで、車道を歩く完全登山装備の我々を、一様に物珍しそうに窓から覗いているのだった。 車道から谷底を覗くと、時折本来の沢沿いの道が見え隠れしていた。 天神峠からヤセオネ峠まで榛名外輪山の稜線を辿るおよそ6KMのハイキングコースは「関東ふれあいの道」に指定され、よく整備されている。 指導標識も随所に設置されていて、アテにならないガイドの案内よりもよほど頼りになる。 出発点の天神峠には、大きな灯篭が建てられていて、旅人の安全を祈願しているようだ。その先にはベンチもあり、榛名湖が見渡せる落ち着いた場所である。本来上ってくるはずだった榛名神社自然歩道は、この峠で関東ふれあいの道と合流している。 次のピーク「氷室山」までは短いが急な登りで息が切れる。いったん下り上り返したピークが本コースの最高点1303mの天目山である。 広葉樹に囲まれたなかなか広い山頂で、展望に恵まれているとは云えないものの、ベンチが5~6脚設置されていて昼食休憩にほど良い場所である。我々も此処で昼食とした。 天目山からは広々とした稜線を緩やかに下り、その間は本コースで最も紅葉が映える場所だった。 降り立った七曲峠で車道を跨ぎ、広い稜線を細かなアップダウンを経て、松ノ沢峠へと下る。この間、切り立った相馬山が正面や左右に位置を変えながら見え隠れする。 健脚の2名が先行して相馬山に登り、予定より1本早いバスで宿に入ろうと言い出し、スピードを上げて行ってしまった。本来別行動は反対なのだが、登山リーダーとしての権威を失っていた私は容認するしかなかった。 県道を横断し、またまた細かなアップダウンを繰り返す。この辺りは天目山周辺の植生とは変化し灌木が多くなる。振り返ると榛名湖とその奥に掃部ヶ岳(カモンガタケ)を一望する素晴らしい展望所を通過し、やがて磨墨(スルス)岩を間近に眺める場所に出る。オーストラリアのエアーズロックを思い起こす形状で、なかなか迫力があった。 遠目には頂上に人が立っているように見えるが、しばらくしても全く動かないところを見ると、石碑か何かなのだろう。 この岩は頂上へ登るルートがある。先行した二人へのあてつけに、登ってやるかという考えが浮かんだが、思い直す。そういう行動が事故の元だからね。 磨墨岩の先、磨墨峠には東屋の休憩所がる。そこから眺める相馬山の上部は既に雲の中だった。二人は雲の中を登っているのだろうか? 相馬山との分岐点まで結構な上りとなり、亀足組の相棒は随分疲れた表情に変わっていた。信頼の薄いガイドではあるが、磨墨峠から先は平坦であると宣言したので、その言を信じた彼はガックリきたのだった。 赤い鳥居がある分岐には先行組二人が座って亀足組を待っていた。 「何をしていたんだ、ずいぶん待ったぞ!」 「おや、ずいぶん早いじゃないですか。さすがに健脚ですねぇ」私はイヤミを云う。 そうです、二人が相馬山に挑戦しているケースも考えられ、こちらが待たされるのがイヤなので、道草食いながらゆっくりゆっくり登って来たのでした。 下山してきた登山客によると、分岐点まで大分標高を稼いでいるので、山頂まで往復1時間もかからないらしい。健脚な二人なら山頂を往復したとしても1本早いバスに余裕をもって間に合ったようだ。 分岐点からヤセオネ峠のバス停まで30分と踏んでいたのだが、15分で着いてしまった。 バスの時間まで30分以上ある。道端の草むらに寝ころんでいた我々を、行き交う車中の人々が一様に物珍しそうに眺めていた。 石段は伊香保温泉のシンボルである。下は徳富蘆花記念文学館付近から、最上部の伊香保神社まで長く急な石段が続き、その両側に温泉旅館、みやげ物屋、飲食店などが軒を連ねている。石段の下には黄金の湯の源泉が流れ、小間口と呼ばれる引湯口から各旅館に分湯されている。 古くは武田の武将どもが合戦で負った傷の療養所として利用されたとある、草津とならぶ上州の名湯である。 多くの文人墨客に利用されている関係で、値段も伝統的に高めの高級旅館が多い。 ところで、我々が宿泊した「金太夫」TEL:0279-72-3232 は石段の中腹にあって、365日同一料金で安い。 そのため週末は予約開始早々に完売されてしまう。夕食朝食ともにバイキングで種類は豊富、ただし高級感はない。 湯は伊香保独特の茶褐色で、とてもよく温まった。 帰路は全席指定のJRの高速バス「上州湯めぐり号」を利用。新宿まで3時間弱の快適な移動だった。 ※酒類消費明細;350カンビール7本、中瓶ビール3本、350ml冷酒2本、ウィスキー0.5L、電気ブラン0.3L、日本酒8合、他に新幹線車内でカンビール5本、以上4人で 2008/11/6 記 |