HOME


丹沢よもぎ平  970m


新雪のヨモギ平を行く この後は処女雪を三ノ塔へ


 よもぎ平? 丹沢山中でそんな地名聞いたことがない、と言われる方も多いのではと思います。
私が使用している日地出版の古い登山地図では、この地名はちゃんと記入されておりますが標高点の記入はありません。
もちろんルートの記入もありません。さりとて、さして広くはない丹沢山域ではありますが、その最奥部というわけではありません。
丹沢の尾根歩きをなさる方ならどなたでも歩かれる表尾根、その入り口のピーク‘三ノ塔’その山頂から大倉側に標高を下げていく三ノ塔尾根はポピュラーなルートですが、その尾根と正反対の北側~札掛側に高度を落とす無名の支尾根、その支尾根の中間あたりに盛り上がるピークがよもぎ平と呼ばれる場所であります。
この場所は私自身は何回も訪れたわけではありませんが、丹沢の主だった場所は訪れている私にとっても、印象に強く残る丹沢屈指のオアシスでありました。
展望は開けません。展望が開けないということは樹林に囲まれているということであります。
ここの天然林が素晴らしい。
木漏れ陽が優しい。
この場所の穏やかな地形がまたたまらない。
樹林の隙間から垣間見る、長尾根の景色が素晴らしい。
なによりも静寂に包まれた空気が清々しいい。
空気の旨さを実感する。
この場所こそが日本の正しい森の中、人の心が潤います。
この秘密の場所も近年麓のBOSCO.CAMP場のオーナーである諸戸林業によって登山道の整備が進められ、一般化してきているようです。
多くの方が訪れるようになるのは、嬉しくもあり、悲しくもある、といった心境です。が、交通の不便さは否めないので、さほど場荒れるすることがないのでは、との期待もあります。
よもぎ平は単独もしくは少人数のパーティが似合います。
新雪のよもぎ平、その静けさに感動いたします。

さて、コースはヤビツ峠~富士見小屋~三ノ塔~よもぎ平~ボスコキャンプ場~ヤビツ林道~ヤビツ峠の周回(または逆コース)、所要時間;4時間半、バス利用の場合は、帰路のヤビツ峠からのバス便は期待できないので、蓑毛まで歩くことになるが、もともとの行程が短いので、体力的には問題ない。
三の塔は山頂西端のお地蔵様裏側がよもぎ平への入口です。
また、逆コースの場合三の塔から大倉へ三の塔尾根を下る選択もあり、やや健脚向きである。
よもぎ平から尾根伝いに札掛へ下るコースも魅力的ですが、その後のことを考えると(長い車道歩き)躊躇してしまいます。この場合、最後に渡渉があります。
また富士見小屋付近に駐車できた際は、帰りに護摩屋敷の水と呼ばれる、丹沢名水が付近に湧き出しているので、容器を持参し、汲んで持ち帰ると良い。いつも大勢汲みに来ているので場所はすぐにわかります。
                                          2005/2/12 一部改定



丹沢三ノ塔からよもぎ平へ 2010 6月22日



コース&タイム;
秦野駅8:18=バス=ヤビツ峠9:10~富士見橋9:25~10:30三ノ塔1205m 10:50~11:20ヨモギ平970m 11:40
~BOSCOキャンプ場12:10~12:30護摩屋敷水汲み場12:50~ヤビツ峠~(休憩10分)~14:20蓑毛=バス=秦野駅
歩行時間;4時間、所要時間5時間10分

梅雨の合間とあって、ヤビツ峠行きバスはすいていた。数人が表尾根へ向かったが、その後山中人と出会うことはなかった。
ヨモギ尾根はあまり歩かれていない様子だった。倒木が多い。踏み跡は薄くなっていたが迷うことはない。
ヨモギ平は疎林だが、天然樹林が大きく育ち、地面は下草で覆われていた。オーバーユースで荒れるのを一時心配したものだが、ハイカーから見捨てられたようで静寂が増していた。
キャンプ場を抜けて車道をヤビツ峠へと戻る。途中の水汲み場の林道脇では、違和感を覚えるコンクリート構造物が立ちあがっていた。 立派すぎる橋台である。何の必要があって此処に橋を架けるのか不思議でならなかった。
ヤビツ峠から秦野行きバスは午後1便(平日)だけなので、柏木林道を蓑毛まで歩いた。
この登山道の高低差は400mを超えるのだが涼しく歩き易い道で、途中に「髭僧の滝」の指導標識を見たが、立ち寄らずに下ってしまった。
なお、昨年秋の崩落による通行止めは現在解除され、問題なく通行できる状況だった。 2010/06/29 追記

索引へ 、 登山歴へ