HOME

大菩薩 牛ノ寝通り 2015.10.21(水)


石丸峠1925m 左は大菩薩峠、右は小金沢山

コース&タイム;
甲斐大和駅8:10=共和交通小型バス=8:55小屋平(石丸峠入口)
小屋平9:00~9:50石丸峠10:00~10:50榧ノ尾山11:00~12:00ショナメ12:05~
~大ダワ12:15~13:00モロクボ平13:05~14:00小菅の湯
所要時間;5時間、 歩行時間;4時間半
小菅の湯14:41=富士急バス=15:40大月16:03=(かいじ116号)=八王子

大菩薩の登山口、上日川峠行き朝一番のバスは満席で、補助イスを使用しての出発です。紅葉季節限定の運行です。(土休日は通年)
終点1つ手前の小屋平では数人が降りただけでした。
牛ノ寝通りは長ーい長ーいたおやかな尾根道、大菩薩周辺では随一の紅葉スポット。でもあまり人気がないようで、静かな静かな山道。牛ノ寝と云うよりは牛ノ背とでも呼びたくなる道です。
この日は予報に反して日照が少なく、輝きに物足りなさを感じましたが、延々と続く紅葉の道は素晴らしい。植栽豊かなだけに展望にはめぐまれないコースでした。
高低差1200mも下る長ーい道、岩石が少なく土と落葉のやさしい道で、私でも標準コースタイム内で歩ききることができました。牛ノ寝通りには牛歩が似合います
下山地は小菅村自慢の【小菅の湯】、いい湯でした。ヌルヌルしてきます、高アルカリ成分なのでしょう。



牛ノ寝通り分岐、入口は笹に隠れて分かりにくい 本日最高点1950m 


登山道は小屋平バス停付近でバスが通じる林道を横断している。進行方向左に下ると上日川峠へ、石丸峠は右に上る。
枯葉色となったカラマツ林を進み、未舗装の狭い林道を右に進んで横断し、ダケカンバの林となる。勾配は急ではないものの上りが連続し、汗ばむ頃に草原が広がる峠の一画に飛び出した。 本来は横一線に並ぶ南アルプスや富士山の眺望が素晴らしい開けた場所なのだが、今日は薄雲の中で視界が悪い。
峠から左は小高い丘状の熊沢山を経て大菩薩峠へ、右は小金沢山稜へ向かう道である。
この小金沢山稜は、湯ノ沢峠・笹子峠を経て御坂山塊へと連なる長大な山脈を形成し、水平系登山を好むハイカーには恰好な登山コースを提供している。
私は10年ほど前に裂石から石丸峠に登り、小金沢連嶺を縦走し、湯ノ沢峠避難小屋泊、翌日大谷ヶ丸を経て景徳院まで歩き通したことがある。 【こちら
このコースは10年経ても記憶に残る美しいコースだった。
牛ノ寝通りへは、手持ちの登山地図(山と高原地図)でも地理院の地形図でも石丸峠を直進するように記されている。実際には直進する道はない。
私は周囲の笹をかき分けて探してみたが、道の形跡は見当たらなかった。
峠から少し小金沢側に上ると、天狗棚山と呼ばれる展望が開けるピークがあって、記憶ではその辺に牛ノ寝への分岐があったので迷わず小金沢方向に進む。 数分で写真の分岐点に着いた。天狗棚山の手前だった。
天狗棚山へ寄りたい思いもあったが、視界が悪いこと、なにより今日の行程は帰りのバス時刻に縛られ、時間のロスは避けたいので直ちに牛ノ寝へ向かう。
下山地【小菅の湯】から中央線駅へ向かうバスは14:41大月行き1本だけですので。
標識に従い笹原をかき分けながら4~5分も下ると明瞭な尾根道となった。

標高1500m付近の紅葉が真っ盛り、1900mの山頂稜線では既に枯葉

しばらくは枯葉となった樹林帯を行く。小金沢連嶺が時折木々の間に見えるものの、眺望は悪い。
急斜面と緩斜面を繰り返しながら高度を下げていった。
10分もしないうちに南方向に分岐する道がある。標識に【長峰】とあった。葛野川を挟み牛ノ寝通り南側の尾根である。
ネットのレポートによるとヤブ漕ぎや迷い道、急斜面もある難路のようで、気乗りしないルートである。
峠から1時間ほどで榧ノ尾山(カヤノオヤマ)1429mに到着。山頂と云うほどのことはなく、尾根の比較的平な一画を伐採した休憩場所。 眺望は大して良くないが紅葉は見事だった。
ここまで予定時間を上回るペースで来た。

標高1200m付近の紅葉、緑が混ざる

榧ノ尾山を過ぎると傾斜は緩む。落葉の道は快適です。尾根全体に落葉が敷き詰められ道は隠されている、だが尾根上の一本道とて迷う心配はなし。
次のチェックポイントは牛ノ寝のピーク、快調に歩いているのだが予定時間に到達しない。 ペースが遅れたかといぶかりながら速度を早め、バスで一緒だった青年が小広い場所に居たので私も休憩とした。
高度計を持参していた青年から「此処はショナメと呼ばれる場所です」と教えられて地図を確認、牛ノ寝のピークは知らぬ間に通り過ぎたようだ。 遅れていると思いきや、さらに時間に余裕ができていた。
大ダワの分岐は変哲もないところ。珍しく標識がある。このコースでは標識類はほとんど見かけず、ベンチなどの休憩施設もない。 標高1320m地点で、樹林は大分色づいている。直進すると大マテイ山を経て松姫峠へ下る。小菅の湯へは左折する。
モロクボ平も変哲のない場所。小菅村川久保方面と田元方面への分岐点である。この先所々で小菅の湯を指す小さな標識が現れた。案内看板のようなものである。
周囲は広葉樹林から針葉樹林に変わる。
ここから高低差400mを一気に下るので急降下を想定していたが、ジグザグに切られた相変わらず歩きやすい道だった。 作業小屋のある場所で道はさらに分岐し、左は田元の集落へ、小菅の湯へは右に行く。ハイカーを小菅の湯に誘導するため新たに切り開いた道なのだろう。
沢を渡り少し登り返すと【小菅の湯】。立派な日帰り温泉施設で、食事処・休憩施設など充実している。時間に余裕がでた私はゆっくり汗を流し、ビール。入浴料は3時間まで620円。
広い駐車場があり、バス便は大月行きの他に奥多摩駅行きがあるが、本数は少ない。この日大月行きバスの乗客は私を含め2名だけだった。
遠い隣村だった小菅村と大月市は2014年の松姫トンネル完成によって文字通りの隣村となった。

下山地小菅の湯は標高730m、高低差1200mを下ってきた


2015/11/3 掲載

索引へ 、 登山歴へ