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尊仏山荘で夕涼み 1491m 2008/07/31


尊仏山荘と営業部長のミー君(お休み中)

平地では悶えるような寝苦しい夜が続いておりました。一時でもこの暑さから逃避したくなるのは極めて自然な摂理であります。
そこで思いついたのが比較的手軽な丹沢塔ノ岳山頂尊仏山荘に泊まり一晩の涼を得ることでありました。息子もこの考えに賛成し、二人の仕事の合間を縫って出かけました。
バスを降りたヤビツ峠から一旦下り、富士見橋の先で名水を汲み、曇天下、薄いガスの中を登ります。
真夏の丹沢は、そのくらいの天候がちょうど良い。炎天下では辛過ぎる。それでも汗が滴り落ちる。三ノ塔までつらい登りの連続。
つい最近まで日帰りで歩いていた表尾根コース、それがいつのまにこんなきついコースになっていたのか!
いえ、コースは昔から変わりませんね。我が体力の衰えが顕著になったのでしょう、イャですねえ。
山頂が近づくにつれて、白闇はさらに濃くなってまいりました。
今回は元々山頂で涼を取る計画です。早速塔ノ岳山頂小屋の【尊仏山荘】で宿泊手続きを済ませ、外でビールを飲み、二階の典型的山小屋の居室(大部屋と個室がありますが、いずれも二段式の寝床です)でくつろぎ、まったりと読書です。 山の蔵書がたくさんありました。外はガスでどうにもなりません。が、こういう過ごし方は悪くありません。むしろ想像した通りの芳しさです。
宿泊客は自分と息子を含めて八名、夕食は定番のカレーライスの他に豪華なオードブルとパンプキンスープ・果物付き、客の少ない今宵限りの大サービス、 次回お泊まりの際はカレーとフクジンヅケのみで我慢するようにとの小屋番さんのお達しであります。何処の山小屋でも混雑日は避けたいものです。
夕食後宿泊客全員が談話室でくつろぎ、小屋番さんのギター演奏&子供たちもギターの伴奏で元気に歌い、(自分はお酒を片手に)とても和やかでした。
そして山荘を訪れる様々な客のエピソード、これは本当に面白い。
夜明け前に時折霧がはれ、相模平野の夜景を一部とは云え鑑賞することができたのは幸せでした。そして富士山こそ顔を見せませんでしたが、早朝には雲海に浮かぶ丹沢の山々を見渡すことができました。とても低山のようには見えません。
塔ノ岳山頂を訪れた人は数知れませんが、そのうちどれだけの人が山頂小屋で泊まったでしょうか?かくい云う私めも十数回に及ぶ塔ノ岳訪問にして初めての経験でありました。惜しいことです。 塔ノ岳の本領は、山頂に宿泊した者だけが体験するようであります。
下山は大倉へ。この尾根は階段だらけで疲れます。この道は足もとが悪いです。自分にとりまして表丹沢はいよいよ苦手な山となりました。
ところが表丹沢を歩く場合は、尊仏山荘あるいはその付近の小屋で泊まり、まったりと過ごすことによって、まったく好印象の山に変わることを漸く悟ったのでした。

コース&タイム
一日目;秦野駅8:18=神奈中バス=9:10ヤビツ峠9:20~富士見小屋(名水汲み)9:50~11:00三ノ塔(昼食休憩)
三ノ塔11:30~12:40書策小屋13:00~13:30木ノ又小屋13:50~14:20塔ノ岳山頂
所要時間;5時間、歩行時間;3時間50分
二日目;山頂6:30~7:30堀山7:50~8:30大倉高原8:40~9:10大倉バス停9:37=神奈中バス=9:50渋沢駅
所要時間;2時間40分、歩行時間;2時間10分

秦野盆地の夜景 澄んだ日には京浜方面から小田原まで一面が輝くそうな

山頂から鍋割山稜方面、富士山はこの右奥だが当日は残念

山頂から雲海に浮かぶ大山、右奥に三ノ塔を望む



2008/08/03 掲載

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