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宮ケ瀬・ヤビツ林道の中間付近にある塩水橋を起点として周回するこのコースは、交通不便なためもあって入山者は少なく、人出の多い表尾根などの主稜線と違い、ブナ林などの天然林が豊かであり、静寂な山歩きを満喫できるコースである。丹沢山は、縦走途中の通過点として歩かれている。 それだけにこのコースを選ぶ人が少ない。特に積雪期は、足跡も僅かで、極端に人が入らないようである。 1、塩水橋付近のジャマにならない路肩に駐車し、ゲートをくぐり、塩水沢に沿った林道[写真]を緩やかに登る。30分ほどで沢側を注意すると、迂回する林道をショートカットする山道の分岐があり、そちらに右折する。沢を渡渉し、自動雨量計の施設の裏側に出る。20分ほど時間短縮できる。見逃すと長い林道歩きとなる。 2、丹沢山域のなかで、特にブナの大木が豊富な堂平のヘリを行き、涸れ沢を渡る。この上部は崩壊が激しい。この先、道は北急斜面にジグザグとつけられているが、この時期は残雪が多く完全に雪に埋もれていて[写真]見分けができない。足跡は僅かで、方向も錯綜している。この斜面の上は天王寺尾根で登山道が通じているので、自分の勘でルートを選び、ガムシャラニ攀じ上がったが、よく滑った。 3、尾根にでると、雪は消えた。鹿を何度も見かけた。歩きやすい尾根道であるが、途中にやせたガレ場があり、ゆるんだ気持ちが引き締まる。 ここからの展望は本コースで最も開けている場所である。バイケイソウ保護の木道を登り、三峰山からの道と合流するとその先が山頂である。塩水橋より3時間半で着いた。山頂は広く[写真]、週末営業のみやま山荘がある。当日は他に人影なく、静まりかえっていた。 4、山頂からの展望は潅木に遮られてあまりよくない。ただ富士山は、伐採したのか、見通すことができる。[写真] 縦走路を蛭ケ岳方向に少し下ると、見通しの良い場所がある。 5、下山路は雪の北斜面を嫌い、天王寺尾根を下った。傾斜が緩いだけに、長い長い尾根である。 展望も得ることができない。冬枯れのこの時期は落ち葉で踏み跡が隠されてしまい、トレイルが明確ではないが[写真]、尾根筋をはずさなければ迷う心配はまずない。 この道は素晴らしい雰囲気であった。丹沢山域に残された唯一の天然道だ。 若葉が茂り始めた4月中旬に再度訪れ、ますますこの天王寺尾根が気に入ってしまった。 キューハ沢側の林道に降り、30分の林道歩きを経て、駐車地まで休憩を含め6時間強費やした。 |