HOME コース;東日原P〜稲村岩〜山頂往復 歩行時間;6時間半〜登り3時間40分、下り2時間50分(小休憩を含む) 所要時間;7時間 バス利用の場合、休日は全てここ東日原が終点となる。バス停にトイレがある。バス停付近に三ツドッケ方面への登山口がある。 東日原は奥多摩駅から日原川沿いに5〜6km上流の狭隘な僻地でありながら数十軒の集落を成し、貧しさを感じさせない家並みである。奥多摩工業の関係者が多いのだろうか。それにしても人間の生活力には驚かさせる。 鷹ノ巣山登山口は中日原バス停より少し先で、左側に小さな案内標識がある。 民家脇を降りて己ノ戸橋で日原川を渡り、山道となる。途中バス通りに水汲み場があるが、稲村岩手前の沢でも汲める。 しばらく涸沢沿いに登り、やがて水流豊富な沢となる。豊富な水流は不思議な事に全て伏流水になる。 渡渉を数回繰り返すが、渡渉箇所が分かりにくいので行き詰ったら対岸を良く観察すること。渡渉は問題ない。下流と水流の縁が切れている沢だがイワナの魚影を見た。 時折樹間から稲村岩の大迫力を垣間見る。一見の価値あり。 沢筋から別れ山腹をジグザグと登り、登り着いた稜線が稲村岩への分岐点である。稲村岩てっぺんへは十数分で達するようだが、見た目で一般ルートとは言い難い。挑戦するならザックを降ろして身軽になって行ったほうが良い。 また、沢から離れる地点に朽ちた橋が架かっていて、廃道となった己ノ戸沢を詰めるルートの入り口のようだ。 ここから本コースの本領である。奥多摩で最もキツイと云われる尾根道を2時間半、辛抱強くひたすら登る。 展望はない。だが自然林が豊富である。 野生動物の気配をそこ此処で感じ、単独登山者にとっては不気味である。突然目前でケーンと鹿の鳴き声が鋭く響き、仰天した。 深山の様相は山頂まで延々と続く。恐ろしいほどの静寂に身を置き、苦しい苦しい単調な登りに一人耐えるのも、悪くない気がしてくる。 これぞ登山の神髄か。 山頂は然程広くはないが、平らで休憩に適した場所である。三方が開け、北側のみが樹林により遮られている。晴れていれば申し分ない展望が得られるのであろう。 当日はガスの中で口惜しい思いがした。それどころか急速に天候が悪化してくる気配で、降りだすのが確実な空模様となったきた。予定していた雲取山への縦走(山中泊)は断念し、休憩もそこそこに切り上げて往路を下山した。 鷹ノ巣山は、奥多摩の銀座通りとも云える石尾根の中間点に聳える標高のある頭峰で、この山だけを目的とした登山でも充分満足できる。 登山道が多方面から通じている交通の要所でもあり、稲村岩尾根コースを登路としたら倉戸山、浅間尾根、石尾根などを下山路とするコースを取れば尚一層充実しよう。 |