HOME


幻の名瀑 湯河原 六 方 の 滝 2017/7月4日




地図に記載のない幻の名瀑も、ネット世界の今では広く知れ渡ったようで、幻ではなくなりました。私もネットでこの滝の存在を知りました。
訪れるハイカーも少ない土肥大杉跡ハイキングコース、途中で分かれ新崎川源流の支沢を遡行し、大詰めはチームニー状の崖をクライム。ようやく姿を現すはまさに幻の滝。
湯河原の奥山は、裏丹沢のマイナールートを歩いているかのように深山幽谷の世界、びっくりしました。
人を容易に寄せ付けない、秘境の滝であることは今も将来も変わりそうにありません。


コース&タイム
湯河原駅=バス=幕山公園9:20~林道~大石ヶ平・幕山分岐10:00~ヤブ道~10:25白銀林道出会い
白銀林道出会い10:30~土肥大杉跡ハイキングコース~11:00支流を沢登り~大詰めのクライム~
11:20六方の滝11:40~林道へ戻り白銀橋12:20~(5分休憩)~隧道13:30~14:00城山563m 14:10~14:50駅
所要時間;5時間30分、歩行時間4時間50分    最高点;六方の滝703m



スタートは幕山公園。湯河原駅からバスで向かった。乗車時間は20分ほどである。公園は湯河原梅林の一角で、正面には幕山。幕山は手軽なハイキングコースである。
一般車進入禁止の舗装された林道を登る。林道は新崎川に沿うようにつけられている。新崎川は河口では小さな川だが上るにつれて水流が増し、やがて渓谷美を形成する。中流では水道用に取水されているようだ。
高度が増すに従い徐々に開けてきた。正面に白銀山が大きい。箱根外輪山の一部だが、この辺りは未開の山々が連なる。これらの稜線の北側に箱根ターンパイクが通じている。
幕山分岐を過ぎて、水道施設手前のゲートで林道は終わり、ヤブッぽい道に入った。
ところで、暑さ対策で今日は半ズボン。林道歩きが長く、ヤブ道があるとは思っていなかったので。むき出しの膝下がカブレでしまい、先へ進む意欲が薄れてしまった。 そこで、カッパのズボンを着用。イバラからの難は逃れたが、蒸れて暑くて。何のための暑さ対策だったのかね。


白銀橋の手前で白銀林道を横断し、【土肥大杉跡ハイキングコース】に入る。この先は刈払いされているようなのでカッパを脱ぐことにした。
トレッキングシューズを履いたままカッパのズボンを脱いだので途中で引っ掛かり、結局は再度ズボンを上にあげてシューズを脱いでやり直すハメに。横着はいけませんね。
2~3本小沢を渡る。ヤマメの魚影あり。


瀬音が近づいたり遠のいたりしながら道は徐々に高度を上げていく。
土肥大杉跡まで1100mの標識を見て直進するハイキングルートを外れ、右に新崎川源流の枝沢を遡行する。
所々で巻道が出来つつあるようだったがヤブ道を嫌った私は沢を攀じる。急流だがルートを選べば靴をぬらさずに済む。
20分ほどの遡行で沢は二分し滝となって行く手を阻む。目指すは右側の滝のさらに上流。この滝も柱状節理の面影が濃い落差10mほど、見栄えのする滝である。
下調べでロープ伝いに攀じあがることは分かっていた。ところがそのロープが見あたらない。
結局滝と滝に挟まれた崖に掛けられていたのだが、下方は汚れて真っ黒、崖の色と同化し見つからないのだった。


崖を攀じあがってやっと対面できました、【六方の滝】、それほど難しいクライムではないです。
黒光した柱状節理の岩盤を、玉すだれのごとき水が落つ。 落差10m。


滝壺に無数の滴が水面を叩く、マイナスイオンが満ちて汗が引く。上流側下流側ともに滝で隔絶されている滝壺には魚影なし。


白銀林道へ戻り白銀橋を渡って長~い林道歩き、なだらかな勾配でも暑い季節には堪える。カーブが続きいよいよ終点かなと期待するとその先もカーブが続く。 隧道手前に石碑が立ち並ぶ【しとどの窟】入り口があり、往復40分ほどだが立ち寄る気力なく、隧道を潜って城山へ向かう。
城山へは隧道上部を跨いで、歩きやすい遊歩道が通じている。


城山山頂は公園状に開けた場所。だが日陰がない。開けてはいても灌木が山頂を囲み眺望が悪い。いい場所だが夏場はどうもね、と云う訳でこの日は人影がない。


山頂直下はアジサイに囲まれて、素晴らしい道。
ところが、じきに車道となり、駅まで長~い長~い急下りに辟易す。

2017/7/12 掲載

索引へ 、 登山歴へ