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丹沢鍋割山 1272m


山頂を遠望す(小丸付近より)



コース;二股~後沢乗越し~山頂~小丸~二股
所要時間;5時間半

 2002年1月11日 晴 穏やかで暖かい
6:00カローラで暗い中大船を出発 戸沢橋で相模川を越へ、伊勢原で246号線に入るが、朝の渋滞に巻き込まれてしまう。車窓から眺める山々の遠景は、暖かい為かややぼやけていたが、それでも初登りの期待が膨らんだ。
渋沢を経て、想定時刻よりもだいぶ遅れて林道に入る。この林道は、大倉手前より四十八瀬川源流部に至るルートで、初めての人にとっては車を乗り入れることなど思いも及ばない悪路である。
カローラが限界。それでも底部を何回か打ってしまった。 今回は息子の車を借用したので慎重に運転したのだが。
20分ほどの林道走行で終点手前の空き地に駐車した。左下方に登山訓練所が見える。このあたりを二股という。キャンプしたくなるような雰囲気の良い場所である。この先もしばらく道は続きジープなどに限り通行可能である。
この林道は、途中すれ違い箇所も少ないので、週末は避けたほうが無難と思う。歩いた場合は大倉から二股までおよそ1時間15分かかる。
駐車地から15分程林道を歩き、大倉尾根堀山への間道を分け、四十八瀬川を渡渉した先が鍋割山登山口である。標識がある。途中に丹沢登山の普及に尽くした、元神奈川県岳連会長の小関広翁の胸像がある。
登山口には山頂小屋の水補給用にペットポトルがたくさん置いてある。登山者の好意で担ぎ上げるのである。
ペットポトルの水は水道水で、沢の水は不衛生につき利用しないと書いてある。自分は沢の水を汲みタップリと味見した後であったので、気分は良くない。今回に限り私は担ぐのをパスした。
鍋割山は塔ノ岳登山メインルートである大倉尾根上部の金冷シと呼ばれている箇所から西に伸びる尾根筋の端に盛り上がりを見せる円頂峰で、独立峰というよりは尾根端部の小さな突起である。
標高1272mの低山であるが、山頂の展望の良さと静かで落ち着いたたたずまいを感じさせる、通好みの山である。三ノ萱という別名を持ち、かつて麓集落が萱刈り場としていた場所である。自分は今回が3回目の登頂である。

  
   
   山頂鍋割山荘               鍋割山稜から丹沢核心部を望む(左端に蛭ケ岳)


9:00に登山開始。沢伝いから、すぐに杉の植林帯の山腹を比較的緩やかにジグザグと登る。50分ほどで登り切り峠状の後沢乗越しに着く。左へ行くと中山峠で、分岐点となっている。
前方は寄沢への急な落ち込みで、視界が開け桧岳山稜のながめが良い。ここまでは展望がなく、少々疲れてきた頃なので小休止したが、尾根上に出たので風が強い。鍋割山へは右へ行く。
ここから山頂まで急登が続く。広葉樹林のなかを登っていくが、この時期、木の葉が散り視界を得ることができるので、所々で富士山が霞み見え、苦しい登りながらも気分は良い。
途中、山頂かと思われる所が何箇所かあるが、さらに道は続きがっかりさせられる。いよいよ山頂に近づくと、木立が途切れ、カヤトのなかを行くようになる。鹿が数匹いた。

山頂着10:50 案内本のコースタイムよりやや早い2時間弱で着いた。山頂は頭の上のようになだらかで小広い。海側、西側の視界が開け、ここからの富士の眺めは丹沢山塊のなかでも特に優れているが、残念なことに当日はやや霞んでいた。
山頂には鍋割山荘という山小屋があり、週末のみ営業している。管理人の草野さんは、小屋の建設資材を自ら担ぎ上げ自分で建てたという。また、食料、消耗品など想像範囲を超えた荷を一度に担ぎ上げている、元ヒマラヤクライマーである。
小屋の食事は、量・質ともに評判が良い。草野さんとは以前に登った際、少し話しをしたことがあるが小屋に泊まったことはまだない。大倉から歩いても3時間ほどで達する上にメイン縦走ルートからはずれているので、宿泊場所としては苦しい位置にあると思う。
塔ノ岳まで足を伸ばすのをやめて、ここで大休止とし、持参したビールを飲むことにした。あとから来た単独行の2人を合わせても、わずかに4人であった。
山頂からは、雨山峠、大倉尾根への2ルートがあり大倉尾根への途中、小丸というピーク[鍋割山より標高が高い]から右へ分岐し二股へ下山できる間道を降りることにした。
鍋割山と大倉尾根の間を鍋割山稜といい、適度にアップダウンがあり、蛭ケ岳など丹沢の核心部を展望しながらの、ブナ林の快適な道で、まことに楽しめた。北斜面には雪が残っていたが、登山道には残雪はないものの、少々ぬかっていた。小丸からの下山道は間道の為、整備されているとは言い難いが、良く踏まれていて不安はない。分岐してすぐの所に広々として大倉尾根、秦野市街を見渡せる眺望の良い場所があり、風も避けられるのでのんびりと休憩した。ここから坦々と下り、山頂より約2時間 14:00に駐車地に戻った。
全行程 休憩も含め約5時間強 新年にふさわしい穏やかな山行でありました。     完

付記;2003年現在山頂小屋は通年営業となっていますが、予約が必要です。

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