HOME 行程&タイム; 小田原=宮城野支所バス停7:30~8:25稜線合流点8:35~9:20明神ヶ岳9:40~11:20矢倉沢峠(軽食) 矢倉沢峠11:40~(コンビニでカンビール購入)~12:20仙石バス停=小田原 所要時間;4時間50分、歩行時間;4時間 この日は北風が強いものの好天気、視界が利き見事な富士山を正面に据えての新緑稜線漫歩となりました。 宮城野からのルートは別荘地脇を抜けていき、明神ヶ岳への最もつまらないルートですが、最短ルートでもあります。 明神から金時山へ縦走、下山はJR足柄駅へのロングコースを目論んでいたので、体力温存を図ったものです。 明神ヶ岳から金時山へ向かう縦走路は初めて歩きますが、展望に恵まれ、程よいアップダウンの伸びやかで素晴らしい道でした。 このコースは富士山と正面に対峙する明神から金時に向うのが正解で、逆コースはつまらないかも知れません。 金時山は目の前、ところが矢倉沢峠まで思いのほか時間がかかってしまい、膝に違和感を覚えたので峠でリタイアとしました。 峠の先、金時山へのルートは歩いたことがありますし、富士山も雲に隠れたのを口実にして。 本音は峠手前から見た金時山はずいぶん急峻で、引き続き登る意欲を失ったのでした。今日のところは縦走路で十分満足し、この先は日を改めることにします。 小田原6:50発箱根登山バス桃源台行は案外混んでいた。途中途中の温泉地で少しづつ乗客が降りていくのをみると、旅館や保養施設従業員の通勤バスのようだ。 彼らの朝は早いので、始発バスはさらに早い時間に出る。30分ほど乗った宮城野支所入口でバスを降りた。 明神ヶ岳への正しい道順はバス停直前の信号から入る。 だがその交差点にある標識には、直進してから上に折れる矢印で示されていたので、私は指示に従いさらに戻って宮城野橋の手前を左に折れた。 次の四つ角にも標識があって、明星ヶ岳方面ハイキングコース入口とあったので私は首をかしげ、念のため地図を確認、間違いを悟りあわてて戻ったが15分ほど出足でロスしてしまう。 もっともそのまま気付かず明星ヶ岳へ進んでしまったら1時間の遠回り、マぁ15分位いいですかね。 正しい道に戻り住宅街をクネクネと進む。通りすがりのオバサマから気おつけて頑張って!とオ励ましを頂き、アリガトネと返す。よほど年寄りに見られたようだ、そろそろ電車で席を譲られるかもしれないなぁ。 やがてコースは別荘地の脇を直線的に登るようになるのだが、荒れた道に電線が張られ感じはよろしくない。そのうえこの別荘地は山の中腹まで造成されていて、感じの悪い道が結構長く続くのだった。 別荘地が終わり堰堤脇を通過し山道となる。 標高7~800mほどの山腹なので黄色味がかった薄緑の若葉が煌く5月の山道である。 傾斜が増し、岩屑の道となる。稜線が近付いた証左であるが、丹沢表尾根を思い起こすような表土が流されたオーバーユースの登山道である。 稜線登山道との合流点は標高900mほど、山頂まであと270m稼げばいい勘定だが、標識には明神ヶ岳50分とある。 合流点から山頂まではなだらかに30分ほど、と踏んでいたのだが見込み違いだったようだ。古い記憶はあてにならない。 さらに急登が続いた後勾配が緩み、大雄山からの道が合流してなだらかな弧を描く明神ヶ岳山頂の一角に飛び出した。 近頃世界遺産登録で頓に脚光を浴びている富士山が真っ先に目に入る。金時山をお供に従えて。青空の下、冠雪した富士山の端正な容姿は何とも素晴らしい!! 山頂広場には5~6人到着していて、一様にカメラを富士山に向け続けていた。今日は素晴らしい展望で南アルプスもクッキリ、眼下の箱庭など他方向にも少しは目を向けてくださいな。 矢倉沢峠へ下るハイカーは少なかった。大雄山から登り明星方面へ下るのが明神ヶ岳ハイキングの一般的コース取りのようだ。私と前後して矢倉沢峠へ向かったハイカーは大雄山への裏道を降りて行ってしまった。 山頂をはずれて下りにかかると、金時山に至る稜線が見渡せた。ゆったりと広がる尾根は笹と灌木に覆われて、一筋の道がどこまでも続く本日のハイライト。 金時山まで、近いような、遠いような、距離感が掴めない、本日は透明度の高い空間である。 見慣れない大崩れの山が富士山に代わって正面に現れた。はてな?--?なぁんだ、大涌谷だ。いつのまにか道は方向をかえ南下していたのだ。 北側がザレて開けた場所を通過する。大山・丹沢・甲相国境尾根が横一列に並ぶ。御正体山はひときわ目立つ。 その東にも大きな山が? 菰釣山だろうか、それにしては東に寄りすぎだ。--アッ、大室山だ!大室山は丹沢山塊のなかで存在感はピカ一である。 火打石岳は北側を巻く。縦走路は概ね下りコースだが、その中でおおらかなアップダウンが何ヵ所もあり、むしろ心地よかった。 この頃になると明神へ向かうハイカーとすれ違うようになる。金時から明神へ向かうのが一般的らしいが、富士山を背に進むのはもったいない気がした。 峠の手前のピーク963m点で作業服を着た3名の男が大型カメラを三脚に据えて熱心に観察していた。 私が立ち止まったので彼らは液晶画面のモニターを見せてくれた。私の予想した通り、赤外線カメラによる大涌谷の熱分布画像だった。高温の赤い区域は広範囲に点在し、その地表付近では90度以上に達し、大涌谷名物の黒ゆでたまごがその区域内ならどこでもできるらしい。 高温区域は膨らんだり縮んだり、また移動することもあるとのこと。彼らは、定期的に定点観測していて、そのデーター解析から流化ガスの噴出などを予測公表し、入山を規制する等災害防止を図っている、「神奈川県温泉地熱研究所」の研究員だった。 機材を此処まで担ぎあげるのもご苦労さま、である。 矢倉沢峠手前に金時山を目前に見上げるスポットがある。低山とは思えない威圧する山容、登山路を下から辿ると山頂肩から急激にせりあがる。 この姿を見て大方の登山者は奮い立つのでしょうが、逆に私はすっかり登攀意欲を失い本日の打ち止めとしたのです。 |