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HOME 半年ほど抗がん剤・放射線治療による闘病生活を送っていた家内の治療が一通り終わって大分元気が出てきたので、リハビリを兼ねての小旅行です。 コース&タイム JR清水駅(徒歩)11:10~魚河岸市場11:25~11:40エスパレスドリームプラザ(昼食・レンタサイクル手続き)12:15(サイクリング出発)~12:45御穂神社12:55~13:05羽衣松13:25~ 三保の松原サイクリンロード~灯台13:40~飛行場13:50~14;10東海大水族館14:40~15:25エスパレスプラザ(レンタサイクル返却)15:30=シャトルバス=15:40清水駅 所要時間;4時間30分、サイクリング時間;3時間10分(休憩見学時間含む)、サイクリング距離18km かつての清水市は2005年静岡市に編入され、現在は静岡市の行政区;清水区である。 清水と云えば、次郎長親分・アニメのちびまるこちゃん・Jリーグのエスパレスがつとに有名だが、観光地では三保の松原が世界遺産となって脚光を浴び、他に日本平や久能山東照宮がある。 私は清水駅に降りるのは初めてで、思いのほか大きな都市だった。 東海道線の西側が市街地繁華街のようだが今回は訪れていない。 東側は目の前が清水港で、食品加工工場や物流倉庫が立ち並ぶ一大工業地帯である。地方都市とは思えない大規模モール街も郊外で見かけた。 清水駅東口はよく整備された広場で、今後の発展を視野に入れた都市計画がなされていた。 清水魚河岸市場は駅から数分の距離、観光客のみならず地元民の台所として利用されるようで、その後立ち寄ったエスパレスプラザより庶民的品揃えで値段が安かった。 エスパレスドリームプラザへは30分ごとに駅から無料のシャトルバスが出ているが1kmと少し、大した距離でもないので市場に寄った足でそのまま歩くことにした。 Jリーグ清水エスパレスの冠がついたこの施設、飲食やファション、土産物店やアミューズメント施設などが出店する複合施設で、地元住民というよりは観光客狙いの売り場構成である。 物流大手の地元企業鈴与が運営している。 鈴与はまた、Jリーグ清水エスパレスの有力スポンサー企業でもあるのだ。 入口付近にあるレンタサイクルコーナーで真っ先に受付を済ます。手続きには簡単な申込書と各々の身分証明書の提示を求められた。我々は運転免許証を見せる。 1回1台500円、16:00までに貸出場所へ返却。 ところで、レンタサイクルというと、サイズ種類が豊富で数十台用意されているように勘違いしそうだが、ここではほんの5~6台用意されているにすぎない。 この外清水区には何ヵ所かレンタサイクルを扱う店があるようだが、いずれも数台用意されているにすぎない。シーズン週末などはあてにできないのである。 レンタサイクルを確保した我々は施設内の鮨屋横丁で腹ごしらえ。 鮨屋横丁には7~8軒の鮨屋があり、だが平日昼直前の横丁は閑散としていた。入口近くの店で握りランチとビールを注文。 横浜から来たと伝えると、店主大いに喜んだ。小ぶりの握りで12~13カン、ほどよい量でさすがに美味しい。 腹ごしらえが済んでいざ出発。 自転車は22インチ程度の小さな車輪に内装3段変速を装備し、サドルを高く引き出して乗るタイプ。案外ペダルが軽く乗り易い。 半島の付け根までは車の往来が激しい幹線道路、が幅広い歩道に自転車走行帯が設けられ不安はない。 幹線道路から分かれると以外にもサイクリング専用道路に入る。下調べでは地図に記載なく、バス道を走行するものと思っていた。車道を横断する際注意すれば、あとは車を気にせずに済み快適である。 途中標識に旧三保駅まであと○kmとあり、私は自転車専用道が廃線跡地を利用しているらしいことにと気付いた。 清水から三保まで、かつては旧国鉄清水港線が通じていたのだった。サイクリング出発地のエスパレスドリームプラザは清水港線清水港駅跡地に建てられたものだった。 港周辺の土地は産業用として大変貴重、その貴重な廃線跡地をよくぞ自転車専用道路として保存整備した、先見の明ある関係者に敬意を表します。 さて、最初の立ち寄り先【御穂神社】(ミホジンジャ)へはサイクリングロードを離れ、バス道路を横断し松原側に少し進む。分かりにくい道だが注意すると標識が出ている。 御穂神社、三保と記さずに御穂と記すところが神社らしい。ご利益は多方面に亘ると云う。 鳥居からは神社の御神木である羽衣の松へ向かって一直線に参道が伸びている。【神の道】と呼ばれ、松並木の趣深い遊歩道である。 自転車は手押し走行のみ許されているが、距離が長いので我々は脇の車道をペダルを漕いで先へ進んだ。 【神の道】は羽衣の松入口で行き止まる。そこは広い駐車場と土産物屋・喫茶食事処が数軒、トイレもあった。バスツアー客も多い。これも世界遺産登録のおかげ、ツアー客は必ず土産物屋を覘く。 駐車場に自転車を置いて坂を上り、幹が曲がりくねった大木の松林を抜けると目の前に広がる太平洋。 海と青空と砂丘と松林が織りなす見事なコラボ、そのうえに雪を抱いた富士山。なんと云う贅沢。世界遺産とあって平日でも結構な賑わいである。 ところで、羽衣の松は2010年に世代交代いたしました。コンクリート柵で囲まれた先代の松は、地上数メートルの幹を残して切り落とされ、切断面は金箔のような膜で保護されていた。 羽衣の松を受け継いだ樹齢二百数十年の若い三代目は先代の近くで木製の柵に囲まれ見事な枝ぶりを披露していたが、人気は未だ先代に集まるようだ。 ここで、珍説【羽衣伝説】 漁師が浜で網の手入れをしていると、天女が降りてきたのであわてて松の大木に身を隠しました。何も知らない天女はあまりの美しい松原海岸に感嘆し、思わず衣を脱いで海水浴。 エロ漁師はジックリと天女を観賞したい欲求に駆られ、思わず松に掛かっていた天女の衣を隠してしまいました。衣がないと天に帰ることが出来ない天女は狼狽し、裸踊りを舞うことを条件に衣を返すよう、漁師に持ちかけました。 エロ漁師はヨダレを拭きながら衣を返す。素早く衣を羽織った天女はアバヨと捨て台詞を残して天空に戻ってしまいました。事態を飲みこめない漁師は茫然として空を見上げるばかりだったとさ。 三保半島外海側に通じているサイクリンロードへは羽衣の松から直接行くことができない。駐車場に掲載されていた案内図によると一旦御穂神社へ戻り少し先を松原方向へ進むよう記されている。 我々はそんなに遠回りしなくとも行けるだろうと踏んで、駐車場付近の住宅街を抜け、適当に海方向に向かい松林を抜けるとドンピシャリとサイクリンングロードに出た。 サイクリングロードの標識に【太平洋岸自転車道】とある。 帰宅後調べると、房総半島から南紀新宮へ達する長大な自転車専用道を建設する構想が国交省にあるようで、静岡県内では構想を先取りして自転車専用道を整備してきたようだ。 そのなかでも三保から御前崎経由で浜松に至る区間が先行整備されたようで、この三保サイクリングロードはその一部なのだった。 清水港線跡地のサイクルロードは内湾側で建造物に遮られほとんど海が見えないのだが、三保サイクリングロードは外海沿いの素晴らしい景観、富士山を正面にペダルを漕ぐ。素晴らしいコース。 何故かツーリングを楽しむ人々は以外に少なかった。 気分爽快。風を切る。今日の小旅行、心に沁みる旅行となりそうだ。 三保灯台~飛行場~海辺の広場と進み半島の先端へ出た。この辺りは釣り人が多い。サイクリングロードを離れて東海大学付属博物館へ向う。 半島の先端付近には東海大学海洋科学博物館(三保水族館)、自然史博物館がある。自然史博物館は主に恐竜の博物館らしいので子供連れ向きか。我々は水族館を見学した。 入場料は1500円、両方の共通券は1800円と、あまり変わらないので時間があれば両方見学するのもよさそうである。 水族館としては外観・展示種類ともに中規模ながら研究学術用として飼育されているだけあって、自然に近い環境が工夫され展示が丁寧である。 リュウグウノツカイ雄雌二体実物のホルマリン漬け、その大きさにはビックリした。大水槽は迫力不足か。飼育場で孵化させているクマノミが愛らしい。 道案内のためにここまでは自分が先頭を走ってきたが、水族館からの帰路は先頭を家内に譲った。後ろを気遣う必要がなくなったうえに競輪よろしく前を風よけに使うので大分楽になる。 家内のペダルの回転が大変速い。ギアーを確認したところ1番を使用していた。ローギアーだ。これが楽だと云う。 スピードを出さずに走ってきたのでそれでよかったのだろうが、経験上サイクリングは頻繁にギアーチェンジした方が疲れないうえに早い。 今回コースはほとんど平坦、それでもちょっとした坂や風向きなどに応じて自分は3段変速をフルに活用した。 水族館から三保ふれあい広場まではバス道、そこからは往路の自転車専用道を走る。三保ふれあい広場はかつての清水港線の終点【三保駅】の跡地を整備したものである。 やがて幹線道路との合流点まで戻る。帰路は幹線道路を走らずにそのまま廃線跡を辿ってみた。結果的にエスパレスドリームプラザにたどり着くことはできたものの、幹線道路を通行した方がよかった。 廃線跡は大型トラックが出入りする倉庫群の搬入路を頻繁に横断し、その度に神経を使う。一方幹線道路の走行はこちらが優先本線、大きな交差点では信号機が捌くので、早くて安全だからである。 「どちらを回って来られましたか?」とレンタサイクル受付のお姉さん。 「三保を一周してきました」 「ウワァー、それはすごい、よかったですね♪」と嬉しそう。 どうやらレンタサイクルの利用客はあまり多くない様子です。シャトルバスに乗り込んだ我々に手を振って見送ってくれました。 ※ レンタサイクルの詳細は【清水区レンタサイクル】で検索してください。 |