HOME


鳳 来 寺 山 2018/11/15




コース&タイム;飯田線本長篠駅9:47=豊鉄バス=9:58鳳来寺バス停
バス停10:00~石段下10:15~仁王門10:30~11:10鳳来寺本堂11:20~東照宮11:30~鷹打場分岐12:00~12:40山頂
山頂684m 12:55~13:10天狗岩13:20~13:45鷹打場13:55~14:20鳳来寺本堂14:30~15:20バス停
所要時間;5時間20分、 歩行時間;4時間25分

「鳳来寺山」は数年前にJRジパングクラブの旅雑誌に特集されたことがあり、その時の記事を切り抜き保管しておいたものの、 今回の山旅に際し下調べしょうとしたが、保管したはずの資料が見つからない。
こういうことが日常的に増えました。でもネット検索で資料集めに不自由しない時代です。
この山はその名から察する通り、1300年の歴史を持つ霊山であり、低山の割には嶮しい修験道場でもあり、 コノハズク(仏法僧)の棲息地としても有名で東海地区では人気の山。私も以前から気になっていた山の一つです。

新幹線で豊橋へ、飯田線に乗り換えて本長篠へ(飯田線は駅間が短くスピードが遅い)、豊鉄バスへと乗り継ぐ。
かつては田口鉄道が通じていた鳳来寺バス停から風情溢れる表参道を登山口へ向かう。そぞろ歩きが似合う道。
登山口からは鳳来寺本堂を目指して1400あまりの石段を登らなければならない。高低差にして約270m。

ところで国内石段ランキングです、「連続した長い上りの石段がある寺社」
第一位は熊本の「釈迦院御坂遊歩道」3300段超、次いで「出羽三山の羽黒山」2400段超、1、2位は間違いない。
有名なところでは、山形の「山寺(立石寺」、香川の「金比羅宮」、静岡の「久能山東照宮」、「伏見稲荷大社」など1000段を超えるが、今回の鳳来寺にはかなわない。 こうしてみると伊勢原の「阿夫利神社男坂」は2000段を超へているので第三位あたりかもしれない。
鳳来寺の1400段はベスト10には入りそうですね。登るにつれて勾配が立ち、相当きついです。
長い石段ではあるが、高さ60m日本一と云われる傘杉や立派な仁王門、真言宗や天台宗の僧坊跡など、次々と名刹の名残が表れて飽きることはなかった。

飯田線本長篠駅、ひっそりとした無人駅で、探すも付近に酒屋はなかった。バス停まで数分歩く。

古い家並みの参道をしばらく歩く。合掌造りは旅館だが今は使われていない様子。

登山口にトイレあり、1400段の石段開始。名物の傘杉は林立する大木の中の1本で、さほど目立たない

石段の両側には真言・天台両宗の僧坊の跡が点々とあり、かつては修験の山だったことが偲ばれる

鳳来寺本堂、背景がいかにも密教的、左奥の旧堂は立ち入り禁止、直登コースも通行禁止だった


本堂は昭和49年の再建ということで、比較的新しい建物である。石段の参道には真言宗・天台宗の僧坊跡が入り乱れていたが、現在は真言宗に統一されたとのこと。
鳳来寺山パークウェー経由の車道が近くまで通じていて、バスツアーの団体客などで参拝客が急に増えた。 標高は450mあり、休憩所からの見晴らしがよい。
私の計画ではここから山頂に向けて直登ルートを登ることにしていたが、旧堂脇から始まるそのルートは風倒木や登山道崩壊のため通行止めになっていて、 山腹を大きく巻く迂回路を往復するコースに変更せざるを得なくなった。30分以上の時間ロスとなり、帰路の予定したバスに間に合わないことは確実である。
次のバス時間は90分後と見込み、折角遠くまで来たのだから以降はのんびり歩くことにした。
私はスマホを持たないのでバス時刻は推測だが、そこがいいところでもある。

奥三河は徳川家発祥の地ということで「東照宮」が祭られ、一帯は徳川家の庇護を受けていた


東照宮は鳳来寺の隣にあって長い間一体運営されていたのだが明治の神仏分離策によって独立し、鳳来寺は領地の大半を失ってしまい経済的に窮地に陥る。 当時は全国的に起きた現象である。表参道の僧坊が廃墟と化したのはこの理由による。
その後明治後期に鳳来寺は真言宗に統一されて高野山の所属となり復活した。
山頂への登山道は東照宮の裏側へ回る。

概ね整備されている登山道

登山道は東海自然歩道の一部となっていて、ほどよく整備されている。東海自然歩道は行者越えから鳳来寺山~宇連れ山へと続く。
鷹打場と呼ばれる場所まではおおむね山腹を巻きながら緩やかに登る。
鷹打場を過ぎると道は90度方向を北に変え、急斜面の山腹を直登して稜線に乗り、尾根伝いに西へ向かう。
稜線に乗りホット一息つきたいところだが、小ピークを4ヶ所次々と乗り越えなければならない、1400段が今頃膝に堪えてきた。
山頂は人が多く早々に切り上げて眺望の良い岩場まで戻り休むことにした。
白装束で身を包み錫杖を鳴らしながら修験行者が駆け抜けて行く、そんな光景が似合う山だった。

山頂は樹林で見通しは悪い。10人ほどが休憩していた

天狗岩からの眺め、崩壊寸前の東屋があって立ち入り禁止。すぐ下は絶壁で危険。

「鷹打場」、本コース随一の眺望を得る、コースから少し外れるが寄らない手はない

下山した頃は陽が傾き紅葉が逆光に輝いていた

鳳来寺山を振り返る

2018/11/23 掲載

索引へ 、 登山歴へ