HOME 今回のコースを選んだきっかけは、宝登山に登り麓の蕎麦屋で食事するというテレビ番組を見たからです。番組名・局名は覚えていませんが。 山頂の雄大な景色、そしてロープウェー利用の手軽さ。もっとも宝登山だけでは私にさえも手軽すぎます。 そこで地元の観光協会サイトを検索し、長瀞アルプスと呼ばれるプチ縦走・権田山散策コース、そして長瀞の遊歩道を組み合わせてみました。ロープウェーは利用しないで。 秩父方面は今回初めての訪問です。コース上に積雪はありませんでした。見渡す秩父の山々にも雪は少ないようでした。 山頂~麓の宝登山神社間はハイカーや観光客で平日でもなかなかの人気、でも登山コースや散策コースは案外静かな道でした。 コース&タイム; 秩父鉄道野上駅9:40~満福寺9:55~10:45野上峠10:55~林道~11:35宝登山 宝登山12:00~宝登神社(参拝5分)12:40~不動寺12:55~権田山~13:35上長瀞駅 上長瀞駅(電車時刻確認)13:40~長瀞岩畳(5分休憩)14:00~14:10長瀞駅 所要時間;4時間30分、歩行時間;3時間40分 前日に大船から熊谷までのジパング利用往復割引キップを購入。この日未明の信号設備火災によって高崎線の運行が見合わせ中ということをを知らないで。 窓口女性が“大丈夫ですか?”などと変なことを云うなと思いつつも。 当日朝のテレビテロップでこの事故を知るも、新幹線乗継という手もあるので予定通り出かけ、宇都宮線直通に乗り大宮まではスムースに着いた。 この先新幹線に乗り換えるか迷うところだが、熊谷行きがまもなく発車とのアナウンスで停車中の高崎線に乗車してしまう。 ところがこの電車途中駅で長く停止してしまい、秩父鉄道乗り換え時間は僅かの2分。 車窓左に小さなホームが見え、あれが秩父鉄道に違いないと猛ダッシュ。駆け降りた階段、ホームまであと数段で無慈悲な秩父鉄道電車は出ていきました。 私の前を駆け降りた数人は乗車に成功し、ホームに取り残されたただ一人の者。 地の利のなさ、キップ購入時間のハンデ、そして瞬発力敏捷性の欠如がなせる技なり。 新幹線の追加出費をケチるのではなかった、いえケチッたのではない、判断の誤りです。 熊谷に停車する新幹線は1時間に1本程度で待ち時間不明、それより発車目前の普通電車の方が早いと踏んだのだった。 気を取り直しホームの時刻表を見ると赤記の有料急行がある、発車時刻まで僅か10分。急ぎ出札へ戻り下車駅野上に急行が停車することを確認し、急行券200円を購入した。 私は下調べで急行の運行を見落としていたのだ。 急行車内はBOXシートでガラ空き。乗り遅れた電車を途中で抜き、野上駅に10分ほど先着した。 秩父鉄道は関東平野を横切って荒川沿いに秩父の山里へと入って行く。その入口が野上駅。駅を降りると市街地とは異なる山里の趣である。 これから辿る山なのだろう、長瀞アルプスと呼ばれる丘陵が目前に広がる。 線路と平行する本通りを横切り、狭い車道を進み、満福寺脇の枝道へと折れ、その一番奥が登山道の始点である。小さな指導標識がある。 地形図には記されていないルートだ。 登山口の標高は150m、100mほど緩やかに登り稜線に乗る。 250m~300mの稜線を小さなアップダウンを繰り返し、時にはピークを巻いて、クヌギやコナラの道が続く散歩道。展望は恵まれないもののいい感じ。この日ハイカーは少ない。 私有地通過の際、環境整備協力金として心付け料金箱が置かれていた。 やがて稜線から林道に降り、標識にはサラ沢峠とある。後にこの峠名を検索したがヒットしなかった。 舗装された道を右にダラダラ10分ほど登ると宝登山への取りつき点、山頂へ最後の踏ん張りどころ。短いが急な階段が続く。 山頂は西向きの緩い傾斜地でなかなか広い。樹林で遮られた東側を除き素晴らしい展望。南の武甲山から東の奥多摩・奥秩父の山々、北の両神山まで遮るものなし。 土地感のない私は両神山を妙義山・甲武信の連山を大菩薩か?などとトンチンカンに推察していた。方位版を見てやっと確認した。石灰岩採取場の武甲山だけはすぐに判別できた。 不慣れな地での山座同定は広域の地図と定規コンパスが要りますね。今回どちらも持参していなかった。 山頂はハイカーと観光客が入り混じり半々くらいか。一帯はロウバイの植栽地、だが既に枯れ色、盛期には黄色一色で見事なことだろう。 山頂奥ノ宮から宝登山神社へと下る。未舗装だが車道である。たいして急でもない斜面に九十九折れの道、距離が延び面倒な気がしたのだが、同類が多いのだろう直線的に下る踏み跡が付いていた。 ロープウェー麓駅分岐を見送り広い駐車場から階段を登り宝登山神社境内へ。 宝登山神社は防火守護の神で祭神は神武天皇。社殿には立派な彫刻が施され彩色豊か、きらびやかな神社だった。 車道から裏道を抜けてロープウェー麓駅へ登り返す。 広々とした園地の一角に建つ不動明王寺に参拝し、地元パンフレットによるところの「権田山ハイキングコース」へ入る。 不動明王寺の周囲は手入れが行き届いた樹木が美しい公園だった。 ハイキングコースとは名ばかりの雑木林を行く。駐車場へ下りる道が時折分岐する(通り抜けの桜)。 権田山山頂は標識がなければ見過ごすようなピークだった。 集落に近い山麓斜面には桜の若木がたくさん植えられていた。長瀞一帯は桜の名所、十数年後には此処も名所の一画に加わるのだろう。 人の気配がしないハイキングコースだった。 山を下り車道に降り立つも上長瀞駅方面は右か左か分からない。左を選んだが略図と周囲が合わないので引き返した。多少のロス。ちょっとした目印でもあればありがたかった。 国道を横切り上長瀞駅。ここで電車時刻を確認しておく。長瀞駅まで川沿いに一駅歩く計画なので現時刻プラス30分程度を見込んだ電車を予定する。秩父鉄道は45分ほどの運行間隔である。 少し進み河原へ降りてみた。甲武信ヶ岳を源流に東京湾へ注ぐ荒川、思いのほか細い流れだった。荒瀬で二漕のカヌーが練習していた。 写真ポスターでお馴染みの長瀞岩畳を観て、長瀞駅へ向かう。 付近の土産物店で尋ねると、ビールは駅前の売店にあるとのこと「今日は売店が休みですね、申し訳ない」と付け足した。 帰路高崎線は順調に走り、赤羽駅で東海道線直通電車に乗り継いだ。 |