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2006/06/21~22



お得なバスツァーで南東北方面へ出かけた。題して「磐梯高原高級リゾート宿泊と山形さくらんぼ狩り」
初日は毘沙門沼から檜原湖までおよそ1時間の五色沼ミニハイク。短いながら、とてもいいコースである。
その日はお題目の通り、なかなか格調高いリゾートホテルに泊まり、翌日は山形県上山市の農園でさくらんぼ狩り、その後蔵王の御釜見物をして、帰路に着く。
バスツァーはいつも盛りだくさんで、少々忙しいのは我慢するとして、個人ではとても行けない距離を走ってくれる。
関東の梅雨空を尻目にして、北上するほどに空は明るくなり、二日目の山形では青空も覗きました。

行 程;一日目
平塚=東名厚木IC・東北・磐越自動車道=猪苗代湖畔=会津村見学=喜多方(ラーメン試食)
=裏磐梯五色沼ミニハイク(毘沙門沼~桧原湖 4km足らず、約1時間)=裏磐梯ロイヤルホテル(泊)
二日目
裏磐梯=山形県上山市木村農園さくらんぼ狩り=蔵王坊平高原=蔵王御釜=東北自動車道白石IC=平塚


会津古民家の茅葺屋根と猪苗代湖

会津地方を訪れるのは30年ぶりのこと、高速道路がない当時は、明け方に横浜を出て裏磐梯に到着したのは夕刻だった記憶がある。 今では7時に平塚を出発し、都心部通過に1時間費やしてなお昼食は猪苗代湖畔である。高速道路の威力はすごい。そして長距離用バスは馬力に物を言わせ、乗用車顔負けに速い。
猪苗代湖は我が国4位の面積があり、円形なので広い。対岸が霞み、絵のようだ。周囲は田園地帯だが、思いのほか人家が多い。
昔はなかったガラス館などの大規模観光施設ができていた。野口記念館は以前に見学しているので、今回はパスした。
バスが駐車できる観光施設から湖のほとりへ降りる道がないのにはいささかがっかりした。 環境保全を大儀名分にして、本音は客の引き留め作戦なのだろうか、折角遠方から訪れた人々の気持ちも汲んでもらいたいものだ。


猪苗代から眺める磐梯山

エイーヤー 会津磐梯山 宝の山よ
笹に黄金(こがね)が エーまたなりさがる
スッチョイ スッチョイ スッチョイナー


穀倉地帯の猪苗代側から眺める磐梯山は、いかにも穏やかで麓に恵みをもたらす宝の山だ。 ところが裏側から眺める磐梯山は、同じ山とは到底思えないすさまじい山容を見せるのだ。


会津村の三重塔と母子像

次の見学場所会津村は、猪苗代と会津若松の中間にある6万坪の見事な日本庭園で、つつじ1万本、あやめ3万本、梅1,000本など、季節ごとに様々な表情を私たちに見せてくれる。
点在する建造物の中で、みどり児を抱いた慈母大観音像は特大で57mあり、別料金で胎内を見学できる。胎内には1万体の十二支御守本尊をお祀りしているとのこと。
面白いことに、此処の観音様は現代的若い女性の顔付きでした。


るり沼から眺める磐梯山

五色沼散策コースを歩いた。毘沙門沼からこの付近最大の檜原湖までおよそ1時間のミニハイキング、短い距離だが長いバス乗車で固まった筋肉をほぐすのにほどよい運動である。 美しい新緑と濃厚色の沼のコントラストを見ながらのミニハイクは充分満足できるものだった。
1888年(明治21年)の磐梯山大噴火によって数本の川が堰き止められ、周囲に点在する無数の湖沼群が形成された。現在の磐梯高原は、この噴火によってそれ以前の景色と一変した。 磐梯山本体の姿も一変し、中央のクビレは噴火によって吹き飛んだ名残りだろう。左右の稜線からクビレを修復し以前の姿を想像すると、江戸時代の磐梯山の標高は優に2000mを超えていたに違いない(あくまで私見です)。 僅か100年前の話である。大自然の営みは驚くばかりだ。
その日は磐梯高原のロイヤルホテルで泊まった。広い敷地に周囲の景観とマッチした低層建物が建ち、共有スペース・部屋ともにゆとりのある格調高いリゾートホテルである。ゆったりとした大浴場・露天風呂がいい。


食べ放題のさくらんぼ狩り

さくらんぼ狩りは山形県上山市の農園で行なった。裏磐梯から2時間の距離だ。米沢から上山にかけての一帯は果樹園の宝庫である。山形新幹線のやけに細長く見える列車がローカル線のように走っていた。
私はさくらんぼ狩りは初めてのことなので下調べしたところ、脚立や踏み台を使うらしい。そうなると上に乗るのは自分の仕事である。 短い制限時間内に最大の獲物を得るために、長年連れ添った下で見上げる相棒からアッチだコッチだと厳しく指図され、もっと上に登れと急かされ、こちらは大いに腐ること必定だ。
そんなことを覚悟していたのだが、結局心配は無用だった。手が届く範囲にもさくらんぼはたわわに実っていた。
高価な佐藤錦のこと、全員取るのに夢中たったが、それでも30~50粒も食べればもうタクサンだ、30分の制限時間で充分だった。
農園内にはたくさん桜の木があるが、それぞれの実の味は微妙に異なる。始めに色々な木を試食し自分の好みを探し、その後集中してその木から収穫するのがコツのようだ。
くれぐれも枝を傷めたり、脚立を独り占めしたり、制限時間を過ぎてなおめめしくもいではならない。新実の萌芽を潰すことは御法度だ。ましてや、取ったさくらんぼをポケットやバックに忍ばせて持ち帰る行為は恥ずべきことである。
さくらんぼ狩りは各々の人格が試されるのだった。
花見や果物狩りで難しいのは時期的タイミングである。早すぎたり遅すぎたりではツアーの目玉が台無しだ。 今回のツアーでは早めに収穫できる農場と遅くまで収穫可能な農場を複数選択してあり、当日ちょうど良い熟れ具合の農場へ案内する段取りが出来ていた。 ツアー主催者側の気配りは大変なのだ。


蔵王の主峰熊野岳

上山の農園を後にしてエコーラインに入り、途中坊平高原スキーレストハウスで昼食休憩し蔵王山頂駐車場まで、乗車時間は1時間余りである。 坊平を過ぎると直に森林限界となり、雄大な景色が車窓に広がった。冠雪した月山を薄っすらと確認できた。
蔵王の主峰は熊野岳1840mである。蔵王山頂駐車場から馬の背を経て穏やかな稜線を山頂まで2~3時間で往復できそうな距離にみえる。 周囲は荒涼としているが展望のよさそうな空中コースだ。思わずそちらへ足を踏み出したくなった。双眼鏡で覗くと、登山者が点々と見えた。


蔵王御釜の眺め

待望の蔵王御釜と対面した。不気味な情景である。
この辺りはガスが出やすい場所で、一旦霧に巻かれると一寸先も白闇となるそうな。それ故に御釜と対面できる確立は2割を切ると云う。 ことさらに梅雨のこの時期にこれだけハッキリと眺めることができたのは奇跡だ、添乗員の言葉である。まんざらリップサービスだけとは思えない。今日のお客様は日頃の行いがいい人ばかりです、と添乗員は付け足した。
御釜の水色は刻一刻変化すると云う。この時は濁った緑であった。
周辺の散策路にはイワカガミが群生していた。コマクサが観られる時期もあるようだ。
御釜は僅かに県境の宮城県側に位置する。熊野岳へ向かう稜線、馬の背が県境で、そこから東側の地域を山形側の蔵王と区別して宮城蔵王と呼ぶようだ。

蔵王御釜で今回ツアーの見学ケ所は全て終了した。初日は福島県の磐梯高原まで400km足らずの走行距離で済んだ。二日目は磐梯高原から山形・宮城を通り平塚まで戻る600km以上の走行だ。 これから延々と400km以上、休憩を含めて7時間の行程が残っている。見学予定は終了したが、バス走行はこれからが本番なのだった。
平塚には予定時刻の21:00に着いた。
クラブツーリズムバス旅行でご一緒させて戴いた乗員乗客のみなさま、ありがとうございました。

2006/06/25 記

no.5 木曽路へ , no.4 裏磐梯から蔵王 , no.3 冬の白川郷から日本海へ